2021.03.04

うわさの検証から始まった研究で得られたもの(和歌山工業高等専門学校)

研究テーマ名:天然物に含まれるジャンボタニシの誘引・忌避物質の探索および特定
研究代表者:岸田 悠佑
研究代表者所属校:和歌山工業高等専門学校

テレビや新聞などで見聞きした情報に対して「本当かな?」と思ったことを自分で確かめたことはありますか?和歌山工業高等専門学校の岸田くんのチームは、そんなちょっと気になるうわさを自ら検証に乗り出しました。

きっかけは、1つのうわさ
研究代表者の岸田くんとその友人が、自由研究として外来駆除の研究をしていた時にこんな記事を見かけます。「タケノコの水煮にジャンボタニシ(スクミリンゴガイの通称)が寄ってくるらしい」。スクミリンゴガイといえば生態系被害防止外来種リストにも載る生物。好奇心から調べてみると「らしい」ということだけで確からしい情報は存在しませんでした。それなら本当に誘引されるのか、その誘引物質は何なのかを明らかすることが外来駆除に役立つのではと考えたのが研究開始のきっかけでした。

身近な課題から研究の扉が開く
和歌山には自然が多く、外来種問題も身近に耳にする課題で、自然と関心を持つようになったと岸田くんは言います。そんな中で、スクミリンゴガイとの出会いが研究の扉を開きます。研究テーマは「誘引物質の特定」としたかったそうですが、そもそも本当に誘引効果があるのかどうかの証拠がなかったため、それをまず最初に調べることにしました。様々な論文を読み仮説をたてる中で、スクミリンゴガイが餌を検知するメカニズムについて調べることにしました。検証用の装置を自作してビデオカメラで撮影し、動きをプロットして解析を行いデータをまとめています。コロナウイルスの影響で研究する時間にもかなり制限がある中、自分たちの研究をどのようにまとめあげれば論理的なアプローチとなるのか、毎晩のようにチームでディスカッションしました。そうやって進めてきた研究が地方大会では「優秀賞」という形で認められ、本当に嬉しかったと言います。

左図:誘引試験を行う様子 右図:各個体の行動過程をモニタリングした様子

未知を知り、外来種問題の解決に挑む
「誰も知らないことを知ることができる。それが研究のとにかくおもしろいところです」と岸田くん。今回の研究でも壁はたくさんありましたが、ぶつかっては超えるを繰り返すのが研究だという信念で乗り越えてきました。
次のチャレンジとしては、誘因物質の特定やより高い誘因性を持つ物質はなにかについての検討、更には実証実験まで進めていきたいと意気込む岸田くん。この研究テーマを一時の盛り上がりにせず、その火を絶やさぬようにと後輩へと引き継いでいく準備もはじめているとのこと。将来は環境問題をテーマにした研究者を目指したいと語る岸田くんは、すでに研究者としての一歩目をしっかりと踏み出しています。

海と日本PROJECT
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