難しいと思われるクラゲの飼育もおおむね完成させており十分実験を始められる状況にあると思われる。私はメンターという仕事は初めてであるのだが、自分のアドバイスが少しでも生きた結果であると判ったので非常に嬉しかった。
- 進捗状況
1) クラゲの飼育
前回は全くできていなかったのだが、今回の面談では2週間の飼育に成功していた。実験を行いながら2週間飼育することは難しいので十分であると思われる。
2) 実験
本筋の実験ではないのだが、赤、青、緑、白と複数の色で実験を行ったと報告された。実験の方法が、太鼓型の水槽で実験を行っているということもあり、十分な結果を得られていない可能性が指摘される内容であった。クラゲの感覚器官を調べるうえで実験を行ったということであった。
- アドバイス
1) クラゲの飼育
飼育は十分できていると判断したため、特には行わなかった。ただし、エフィラの飼育を行っていないということであったので、追加するように指示した。
2) 実験
光の実験に対しては、太鼓型の実験水槽で行うのではなく、長方形の水槽を使うように指示した。リバネス社の方からは区画を作り、統計処理を行うべきではないかという指摘を受けた。また、前実験では片側から光を当てただけであったのだが、両側から光を当て、どちらによるのかということを勧めた。成体であるメデューサを用いるのでは個体数を確保しにくいということもあるので、幼体であるエフィラを用いるのはどうかと話した。
- 課題
本筋の実験である感覚器の阻害については今後実験を進めていく。また、論文などに当たり、現在どの程度わかっているのか、何がわかっていないのかを明確化させていくことも必要であると思う。
実験も自ら考えて進めている状況であり、クラゲの走性の中でも有名な光走性から考えた実験で、どの色の光に反応しているのか確認するような実験であった。実験方法としてはまだ不完全なものであったが、今回の面談で形になったので、今後の結果の報告が楽しみである。
研究アドバイザー:北海道大学 佐藤 寛通