学生の行う実験として、「色の学習を利用してチゴダラの好きな餌を探る」というテーマになった。前回の面談を受けて、学生たちが予備実験を実施した。まず、そもそも色自体に好みがあるかもしれない。そこで、異なる色で同じ餌のもの、を与えてみると、そこに好みはみられなかった。とりあえず実験に進めそうだ。次に、彼らは色と餌を変える実験へと進んだ。ここでは、一方の色には餌成分が入っていて、もう一方の色は餌成分が入っていない。そのため、餌成分の入っている色を選べば、色を使って好みの餌を覚えられるということになる。しかし、実際にしてみると期待していることと違い、魚は餌の成分が入っていない色も同じように選ぶということであった。ただ、この結果から餌成分の違いを見分けられないとはいえない。実験に使った色をみせてもらうと、ヒトの目からみてもそれほど大きな違いがあるようにみえない。つまり、魚がこの色を見分けられない可能性がある。そこで、色の違いを明確にする実験をすることを提案した。面談後に学生が実験を新たにしたところ、色を変えたら餌成分のはいっている色を魚が選ぶようになったという報告があった。どうやら実験を進めていくことができそうである。今後の展開が楽しみだ。(高橋宏司)