近年、高齢化の進展に伴い、果樹農家はリンゴなどの大果樹からブルーベリーといった小果樹に転換している。ブルーベリー栽培には酸性土壌が必要なため、輸入資材であるピートモスに依存している。天然資源であるピートモスはカナダ産であり、輸入に頼っていくことで将来的に枯渇することも考えられる。そのため、ピートモスの代替資源が国内で生産、利用できないか調査研究を始めた。秋田県の田沢湖はpH4.5-5.0の酸性で古くから毒水と呼ばれ、生物が生息しない湖水である。酸性水は田沢疏水として下流域の農業に利用されていることから、酸性水の灌水がピートモスの代替可能性となるのではと仮説を立てた。令和3年から1年生の木を田沢湖区とピートモス区で設置し、試験栽培してきた。