ギギ(ナマズ目;ギギ科)の形態的差異とその検討

本日に至るまで、ギギ(学名:Tachysrus nudicepus)は琵琶湖を中心とする中部地方以南から九州北東部にかけて生息するギバチ属の一種である。 しかし、筆者が過去に行った調査から、少なくとも広島県内には形態的に異なる2つのタイプのギギの存在が考えられた。ただし、この調査は広島県内に限定されたものであり、認められた差異が地域的なものなのか、それとも遺伝的なものに由来するのかは判断できなかった。 よって、本研究では過去の調査範囲からより拡大し、琵琶湖流域から九州北東部を中心とした西日本を中心に調査を行い、体各部の観察、計数·計測によって得られたデータを基に形態的差異について検討する。